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健康長寿社会における運動指導者の使命 ⑤

福岡市南区のパーソナルトレーニングスペース
Personal Body Management
提携トレーナー兼管理栄養士の吉村俊亮です(^^)

 

 

このシリーズでは、僕が保有しているパーソナルトレーナーの資格であるNSCAジャパンの顧問をされている寛仁親王妃信子殿下『第2回NSCAジャパン・日本健康運動指導士会 合同学術大会』でのスピーチをご紹介していきます。

シリーズひとつひとつが長文になりますが、貴重なお話なのでよろしければご一読ください。

 

 

以下 Strength & Conditioning Journal(vol21,number5,june2014)から引用

 

健康的に歳を重ねるために

~健康長寿社会における運動指導者の使命~

 

 

更年期の女性への配慮

 

そんな中で私は、女性特有の更年期という時期におりました。体力がかなり不足しておりましたので、何かと時間がかかりました。出合った療法や薬による治療も受けましたが、私が有り難く思ったのは骨密度が落ちることがなかったことです。医師の判断でホルモン補充療法という療法を受けており、年齢を経ても骨密度が落ちなかったことは一つの救いでもありました。

おそらく皆様方も、指導の中で更年期女性に出会うことがおありだと思います。更年期の症状は幅広く、メンタル面に出る方、肩こりなど身体面に出る方、疲労や不眠の症状が出る方など様々です。ホットフラッシュが良く話題になりますが、ホットフラッシュが更年期症状のトップではありません。順位としては上のほうではありますが。一番多いのは肩こりや疲労感です。疲労感が理由で、したいのにできないことも出てき症状も違います。指導者の皆様も、それぞれの状態を理解し、クライアントにどの様なボールを投げてあげたらいいのか考えて頂ければと思います。

運動指導者の中にもトレーナーの皆様にも女性が半数くらいはいらっしゃると思いますので、いつかご自身も通る道ですので、女性の健康や更年期症状もお勉強なさった上で指導して差し上げて頂きたいと思いますし、男性の方々にもご理解頂ければと思います。「わかってくれている」とクライアントは安心し指導して下さる皆様方との信頼関係が生まれてくると思います。高齢社会の中で誰もが通る道でもあり、日本では遅れている分野でもあります。

 

 

 

 

今日専門の先生方がいらっしゃると思いますが、今現在全国で寝たきりのご老人の8割方が女性だと言われています。大腿部骨折等様々ですが、骨粗鬆症の問題が多くを占めている現実があります。昔日本では更年期に対しケアーが無かった時代でした。

女性に対しても男性に対しても、どの様な運動を取り入れたらよいのかと指導は欠かせませんが、女性が来られた時には、運動指導にとどまらず、クライアントの体調は如何か、ぜひ耳を傾けて頂きたいと思います。必要を察したなら医療機関をお勧めする、婦人科受診に誘導することも大切です。「今の様な症状があるのでしたら、レディースクリニックに行ってみてはどうですか?」というような、ちょっとしたアドバイスです。

それによって相手は、「婦人科に行ったほうが良いのかな」という自覚が生まれます。トレーナーや指導者から背中を押されることで自分自身の体調への理解が進み、「もしかしたら・・・」と予防的な医療へのステップを促すこともできます。これも健康指導者といえるでしょう。運動は己を知るチャンスでもあると思うのです。

 

 

 

 

これから運動を必要とされている方たちは年代を別に増えていく傾向があります。世代的に骨密度の減少は、50代から落ちていきます。10代の終わりまでに骨の仕組みが出来上がります。過度なダイエットや、過度なトレーニングによる体重制限で骨密度が落ち疲労骨折や成長している卵子にも影響しますので、無排卵月経等の選手が増えないようなサポートは、皆様の現場の方々が知ることでサポートに繋がります。大事な指導者のお役目でもあります。指導者・トレーナーの皆様に健康な日本人を多く作って頂きたく期待しております。

 

 

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