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人が活動する為に ③競泳界が変えたトレーニングの常識

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トレーナー兼管理栄養士の吉村俊亮です(^^)

 

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⇓⇓前回までの記事はこちらから⇓⇓

人が活動する為に ①ATPというエネルギー源

人が活動する為に ②グリコーゲンローディングの実際

 

 

トレーニングは競技特性によって方法を変えなければいけません。

例えば、マラソン選手が42.195kmの記録を伸ばしたいと思って、3ヵ月間短距離の練習をして記録が伸びるでしょうか?

逆に、100M走専門の選手が100Mの記録を伸ばすためにマラソン選手が行う練習を3ヵ月間行って記録が伸びるでしょうか?

 

答えはNOですよね(^^)

 

その理由は・・・

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少し見にくいですが、スポーツ種目によって試合の時間だったり、活動量だったりと競技特性が異なり、それによりエネルギー供給系が異なるからです。

 

しかし、数年前に今までの運動生理学の考えを見直さなければならない出来事が起こりました。

それは、競泳界で起きた出来事です・・・

 

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上の表を見て頂くと30秒~1分30秒の項目に100M競泳と書かれています。

この分野のエネルギー供給機構は非乳酸性機構+乳酸性機構となっています。

非乳酸性機構とは、ATP-CrP系とも言われ、有酸素系・乳酸系をフル稼働させても、また活動筋で必要とされるATPが足らないような運動で働きます。

エネルギー生成が非常に速い代わりに、疲労物質であるPiを生成するのが特徴です。

また乳酸性機構とは、有酸素性機構によるエネルギー生成が非常に遅いため、エネルギーの材料となるピルビン酸と呼ばれる物質を乳酸に変え、その過程でエネルギーを生成する機構のことを言います。

エネルギー生成が速い代わりに、疲労物質であるH⁺を生成するのが特徴です。

競技的には上の表の30秒~3分以内の競技が当てはまります。

 

話を戻して、100M競泳の場合、トレーニングは非乳酸性機構もしくは乳酸性機構に属した練習やトレーニングを行うことが普通です。それが主流でした。

 

しかし、数年前に競泳界では高所トレーニングを採用しました。

高所トレーニングの目的は、低酸素状態の環境に身を置くことで、心肺機能やミトコンドリアの量を増やし、有酸素能力を向上させることです。

もちろん、100M競泳はスプリント競技になりますので、有酸素系トレーニングになる高所トレーニングを多くの指導者や専門家が反対しました。

 

その反対を押し切り、高所トレーニングを実践した競泳界は、結果記録を伸ばし、良い成績を残していきました。

 

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なぜこのような結果になったのかは運動生理学的にまだはっきりと解明されていないそうです。

 

ただ言えることは、今まで30秒~1分30秒のロングスプリント競技では、有酸素系が過小評価されていたということです。

 

ロングスプリント競技では、乳酸性機構と有酸素性機構が主なエネルギー供給系になりそうですね(^^)

 

これで今回の運動生理学シリーズは終わりになります。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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